
オープニングレセプションの様子
和建設は、タイ・バンコクに完成した寿司店「鮨祝Sushi Iwai」において増築設計・内装木部デザイン・施工監修を担当した。
5月23日(土)には現地でオープニングレセプションを開催。多くの関係者や来場者が集い、寿司を楽しみながら新たな門出を祝ったという。
高知県仁淀川町産木材と日本の伝統技術が融合した空間

鮨祝Sushi Iwai外観
今回完成した「鮨祝Sushi Iwai」は、日本の寿司文化と木の空間美を融合させた店舗。同プロジェクトは、鉄筋コンクリート造ホテル「SOVA HOTEL BANGKOK」の1階部分を増築する形で建築された。
増築部分はすべて高知県仁淀川町産木材が使用され、日本の伝統的な在来軸組工法で躯体を構成。外壁仕上げ材には日本の伝統技法である焼杉が採用されており、日本の木文化を感じられる空間を実現している。

鮨祝Sushi Iwai カウンター及び内装
設計・デザインは、飲食店舗を中心に設計・デザインを手がける金子誉樹氏とスタジオムーンが担当し、和建設が増築部分設計と内装木部デザイン・施工監修を行った。施工は現地の建設会社Peet Asiaが請け負い、木材加工は池川木材工業が担った。
また、同プロジェクトにはヴァンガードリクリエイトも支援企業として参画し、仁淀川町の地域資源を活用した国際的なプロジェクト推進をサポートしたという。
プロジェクト誕生の背景

仁淀川スタッドハウス 外観

仁淀川スタッドハウス 内観
施主でありバンコクで複数の飲食店を経営するSushi Iwai(Thailand)代表の大嶋俊矢氏は、新たな業態として寿司店の計画を進める中、高知県仁淀川町を訪問。その際に視察した「仁淀川スタッドハウス」(設計:和建設およびVUILD、施工:和建設)に強く感銘を受け、“木材を活かした寿司店をつくりたい”という構想へとつながったそう。
木の温もりや質感、日本らしい静けさを感じられる空間を海外でも実現したいという想いから今回のプロジェクトが始動した。
地域産木材の海外発信拠点として期待

仁淀川のブルーを想起させるペンダントライト
同プロジェクトは、高知県および仁淀川町の支援も受けながら進められ、「地域産木材の海外発信・販路拡大」の一歩となるプロジェクトとなったという。
行政側からは、仁淀川町産木材の魅力を海外へ発信する拠点として同プロジェクトへの期待が寄せられており、地域産木材の新たな活用モデルとしても注目されているとのこと。日本食文化の世界的な広がりとともに“日本らしい空間”への関心も高まる中、食と建築の両面から日本文化を発信する取り組みとして位置付けられている。
タイでの木材活用への挑戦
タイでは伝統的に木造文化が存在する一方、現代都市建築では鉄筋コンクリート造が主流で木造建築は地方都市での限定的なものとなっているという。さらに高温多湿な気候や白蟻対策・腐食など木材利用における課題も存在する。
今回のプロジェクトでは、そうした環境条件に向き合いながら、日本の木造技術や地域材活用の可能性を海外で実践。また、鉄筋コンクリート造ホテルへの木造増築という形式により、都市部における木材利用の新たな可能性を示すプロジェクトにもなっている。
今後の展開
和建設では、本プロジェクトを単なる飲食店舗づくりにとどまらず、高知県産木材の魅力を海外へ発信するモデルケースとして位置付けている。今後も高知県および仁淀川町と連携しながら地域産木材の価値向上や海外展開の可能性を検証するとともに、日本の木文化や地域資源の魅力を世界へ届ける取り組みを進めていく考えだ。
また、タイ特有の建築環境に対応した木材活用技術の知見を蓄積し、海外における木造空間づくりの普及にも挑戦していくとしている。
高知県産仁淀川町産木材を活用した寿司店「鮨祝Sushi Iwai」に、注目してみては。
和建設公式サイト:https://www.kano-kensetsu.com
(丸本チャ子)